はじめに
こんにちは!サイボウズ Developer Pioneer チームです。 この記事では、チーム内のハードウェア勉強会「Arduinoで作る1x3ボタン」の内容を紹介します。これからArduinoを触ってみたい方や、はんだ付けに挑戦したい方は是非読んでみてください。
また、 「HW初心者が自作スイッチを作成した話」は全4記事で構成されています。今回は、プロローグ編に続く2記事目です。特にハードウェアの実装に注目して紹介していきます。
完成形
まずは、作成する1x3ボタンを確認しておきましょう。 3つのボタンから、「a」「b」「c」が入力できるボタンを作成していきます。
用意するもの
- Pro Micro
- タクトスイッチ
- ユニバーサル基板 または ブレッドボード
- スズメッキ線(0.5mm) または ジャンパーワイヤー
- ゴム足
- ピンセット
- はんだ付けセット
- 半田ごて(温度調整付き)
- はんだ
- はんだ吸い取り線 or すっぽん(はんだ吸取器)
- PC
- Arduino IDEインストール・ソースコードの書き込み用
- PCとPro Microを接続するケーブル
- Pro MicroにはMicroUSBで接続するタイプとUSB-Cで接続するタイプがあります
Pro Microとは?
Pro MicroはArduino言語で動作するマイコンボードで、Arduino互換機の1つです。自作キーボードで愛用されることが多く、今回の自作ボタンに欠かせないパーツです。
電子回路の設計
まずは、電子回路と基板上の配置を考えていきます。
Pro MicroをArduinoで利用する場合,Arduionでは下図の水色で指定されている番号でピンを識別/指定します。
引用:Hardware Overview: Pro Micro (SparkFun)
ピンの役割を確認したら、回路の配線がなるべくシンプルになるよう設計していきます。今回は、3,7,8,9ピンを使用します。
回路図を元に実際にはんだ付けをしていきます。 回路図の黄緑色の点の箇所にはんだ付けをしていきます。ただし、設計した回路図の裏面に配線していくため、逆さまに考えて配線する点に注意してください。
はんだ付けアドバイス
はんだ付けのポイント
- 適切な温度ではんだ付けをすること
- 今回は320℃-330℃で行いました
- はんだ付けをする部品と基板にしっかりと半田ごてを当てて熱すること
- イメージ的には、半田ごてを2秒程当てて、こて先と部品が当たっている部分にはんだを付けます
- 部品が十分に熱されていれば、はんだは溶けて部品と基板に回ります
はんだ付けに慣れる方法
兎に角「量」をやるのが一番です。我々のチームでは1x3ボタンを作成する前に、キーボードを作成しました。かなりの量をはんだ付けする必要があるため、練習用にトライしてみることもおすすめです。
はんだを取り除く方法
誤った場所にはんだ付けをしてしまった時や、はんだの量が多すぎて隣とくっついてしまった時に、はんだ吸い取り線やすっぽんを使用して、はんだを取り除くことができます。
はんだ吸い取り線の扱い方
- 吸い取り線を1cm程度用意する(※適宜サイズは調整してください)
- 取り除きたいはんだを温め、溶かす
- ピンセットを使用して、上からはんだ吸い取り線を乗せ、さらにはんだ吸い取り線にはんだごてを当てて吸い取る
※取り除きたい箇所のはんだが少ない場合は、取り除きにくい場合があります。その場合は、敢えてはんだを追加してから吸い取り線を使用するとうまく取り除くことができます。
すっぽん(はんだ吸取器)の扱い方
- 取り除きたい箇所のはんだを温める
- 上からはんだ吸取器を使ってはんだを吸い取る
※はんだ吸取器にはんだが溜まりすぎると取りにくくなるため、適度に掃除をしましょう。
はんだ付け完成形
スズメッキ線は基本的にペンチ等を使用して真っ直ぐにしたり、直角に曲げるとうまく配線ができます。写真のように、設計を元にはんだ付けが終わり、ゴム足を付けたらハードウェア側の準備は完了です。
おわりに
これで1x3ボタンのハードウェア側を実装することができました! 次の記事では、自作ボタンのプログラムを紹介します。