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【Maker Faire Tokyo 2023 展示作品】射的2.0 🔫ピストル編

はじめに

Maker Faire Tokyo 2023に出展しました!
展示物のうちの「射的2.0」を、「🔫ピストル編」「🎯まと編」「⚙️システム編」「🖥️GUI編」の4本にわけてご紹介します。

この記事は「🔫ピストル編」になります。

展示品

今回の「射的2.0」では、当初はまとと同じくピストルも自作する予定でした。
しかし、製作中により良い市販品を見つけてしまったため、そちらで展示を進めることにしました。

市販品のピストルは基本は12発の弾が入るようになっており、撃ち切るとリロードが必要になる仕様です。 ゲーム性もデザインも今回の展示にあっていそうなので、こちらをメインのピストルとして採用しました。 今回没にした案の供養紹介もここでさせてください。

ピストルの紹介

購入品はこちらです。

市販品ピストル
こちらに関しては次の難易度調整のアダプターの調整を行いました。
難易度調整以降は今回展示には至らなかったピストルの説明をさせていただきます。

難易度調整

市販品のピストルを利用するにあたり、赤外線の光量が強い/照射範囲が広いという問題がありました。 そのため、同じ部屋だと反対側に撃ってもターゲットに当たってしまっていました。

一度ピストルを分解して中身を確かめたところ、こんなレンズが…

分解したピストルの中のレンズ(左)
おそらく凸レンズで中心の照射強度を高めてるのかな?と予想しました。

今回は到達距離も短くていいので、とにかく当たる範囲を狭めたいということでレンズ代わりに置き換えるアダプターを作成することにしました。

以下、困って工夫した点を詳しく記載します。

赤外線照射範囲限定アダプター

アダプター
元々は①のような凸レンズが入っていました。

同じ形で②のような、白い樹脂で赤い部分にアルミ箔を貼り、中心に穴を開けたアダプターを作成しました。 これにより照射範囲が限られるという想定でした。 しかしながら照射範囲はあまり変わらず、これは穴の深さが浅いため、光の広がりをあまり抑制できていないのでは?という仮説のもと、③を作成しました。
②に比べると③は照射範囲が狭まったもののの、あまり安定せずかなり外れたところを狙っても赤外線センサーが反応してしまっていました。

ここから可視光での調査を行った結果、穴の深さというよりは3Dプリンタで作成していることから、アダプターの積層に隙間があり、そこから漏れ出たり内部で乱反射した赤外線光にセンサが反応しているようでした。 最終案として④のように2箇所で赤外線光の広がりを抑制することにより、安定して照射範囲を狭めることに成功しました。

ボツ案

今回色々と制作はしたものの、展示に至らなかったものです。 ノウハウはたくさん貯まったので、また来年の展示をお楽しみに!

筐体

筐体は最終デザインまでは追い込んでいませんが、こういったものを検討していました。

自作ピストルのガワ

回路

ピストルはコンパクトに纏めたい(でもはんだ付に不慣れなメンバーも作れるようにしたい)という観点で、基板を起こすことにしました。 回路はこんな感じです。

ピストルの回路
作成した基板はこんな感じです。
ピストル用の自作回路
仕組み自体は簡単で、スイッチの押下情報をマイコン(PIC)の割り込みで検知します。割り込みで振動モーターを起動し、赤外線LEDを点灯します。 スイッチのチャタリングは回路側でローパスフィルタをかませています。

制作過程のトラブル

まずは基板に起こす前に、簡単にブレッドボードでの赤外線照射と赤外線受光の動作確認を行ってました。

罠というか知らなかったのですが、動作確認時に赤外線LEDを点灯させても赤外線センサーで検知しない問題がありました。回路が悪いのかとかなり色々と時間を取って調査していたのですが、赤外線センサーはバンドパスフィルターが搭載されており、37.9kHz付近の周波数でON-OFFして送ってあげないと信号が到達せず、検知しない仕組みとなっておりました。

単にある程度の強さで赤外線を受けたらONになるかと思っていたのですが、冷静に考えると日光が当たる環境だと常に反応してしまったりして使いにくかったりするので当たり前か…と気づきました…

まとめ

回路設計の経験はあったものの、アートワークを作成して発注する、ということをガッツリやったのは実は初めてで、いい勉強になりました。

と同時に、そんなに難しくないかも?とも思ったのと、金額も安かったため、チームに展開しつつ、今後も積極的に使っていきたいと思いました。