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TechSeeker 2024 参加レポート

2024年7月6日~7日に大阪のATCホールにてTechSeeker Collection 2024 が開催され、様々な企業やクリエイターが作品を展示したり、モノづくりワークショプを実施してました。

本記事ではTechSeeker Collection 2024 の様子と、TechSeeker Hackathon でkintoneを組み込んだ作品の紹介をしていきます。

TechSeeker Collection の様子

TechSeeker Collection 2024 では、多くのクリエイターや企業が作品を展示したり、販売したり、子供向けのワークショプを開催していました。当日会場はIoT、バーチャル、デジタルファブリケーション、企業出展とワークショップ、大学・専門学校、ハッカソン作品といった6つのゾーンに分かれて来場者を迎えました。

TechSeeker 2024 Collection 会場の様子

kintoneブースの様子

サイボウズもTechSeeker Collection 2024 でブースを出展し、kintoneの技術同人誌や製品カタログを案内していました。多くの来場者に興味を持って頂き、その場でkintoneによるDXのコンサルも何件がさせて頂きました。

kintone同人誌の販売をしていたkintoneブース

当日会場に来れなかった方は、オンラインショップでも技術同人誌の購入が出来ますので、よろしくお願いします!

TechSeeker Hackathon でkintoneを使った作品紹介

TechSeeker Colletion の2日目には、TechSeeker Hackathon に参加してた16チームによる作品のプレゼンテーションが行われました。各チームは様々なIoTデバイスやクラウドサービスとの連携を駆使し、「子どもの生活をハックしよう」というテーマを基に、様々なハックを見せてくれました。

発表されたチームの中、kintoneを使った7作品を紹介させて頂きます。

ワン!ドセル

「ワン!ドセル」は犬をモチーフにしたランドセルです。ランドセルに必要な教科書などが入っていないと、ランドセルがその場から動かない、忘れ物防止のためのシステムです。

未来の犬型ランドセル「ワン!ドセル」

小学生が毎日必要な持ち物のリストを、教師がkintoneアプリに登録をします。小学生はランドセルに持ち物を入れる際に、搭載されているSONY Spresenseのカメラで持ち物のQRコードを読み取ります。このチェックがkintoneアプリのレコード情報と照らし合わされて、忘れ物が無いと判断されたら「ワン!ドセル」が出発出来るようになります。それまでは「忘れ物がまだある!」と判断され、その場を動きません!

こちらの作品は、kintoneアプリをうまく使いこなしてある点と、小学生と先生とのチームワークが実現出来ているという点が考慮され、kintone賞を授与しました!

kintone賞を授与した「ワン!ドセル」

作品詳細:

protopedia.net

カゲキなランドセル~輝く不審者撃退ランドセル~

「カゲキなランドセル」は不審者を撃退するIoTランドセルです。不審者が小学生に近づいた時に、AIカメラが不審者の検知をし、様々な撃退モジュールが作動します。警告用のパトライトをまわしたり、不審者を射撃したり、驚かすための虫を放出したりします。

不審者撃退システムが様々搭載されている「カゲキなランドセル」

不審者を発見した際に、保護者にはLINEで位置の通知が行われ、kintoneとOpenStreetMap を使って不審者発見情報が共有されます。

作品詳細:

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できたかなチェック

「できたかなチェック」は、レゴブロックで作られた犬ロボットと、タスク管理スマホアプリです。スマホから「やること」を登録し、時間になったら犬ロボットが暴れ出します。

タスクが終わってないと暴れ出す「できたかなチェック」のロボット犬

スマホアプリはFlutterで作成され、アプリを通して追加した「やること」はkintoneのアプリで管理されます。レゴはmicro:bitで制御されており、スマホアプリにbluetoothで通信することにより、「やること」の期限が来たら犬のロボットを激しく動きます。

作品詳細:

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未来の投げ銭箱

「未来の投げ銭箱」はNFC型のコインを箱に投げ入れることで、パフォーマーにポイントとメッセージを送るデバイスです。

NFC型のコインで作動する「未来の投げ銭箱」

NFC型コインには5~1000のポイントとメッセージが書き込まれており、投げ銭箱の中のNFCタグリーダーに読み取られます。SONY Spresenseを使い、人形に拍手動作をさせたり、拍手音の再生を行います。また、さくらインターネットを経由してhttps通信でkintoneアプリにコインに保存された情報が登録されます。賽銭箱に設置されてるモニターには、ラズパイを使ってkintoneアプリに登録されたデータが表示されます。

作品詳細:

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読書感情文

「読書感情文」は小学生の読書中の感情を読み取って 、それを基に感想文ならぬ「感情文」として出力する作品です。

表情と脈拍から読書中の感情を文章に変換する「読書感情分」

読者が画面に表示される本を読んでる間、カメラで表情分析がされます。また、M5StickCやSONY Spresenseが搭載されたカエル型デバイスに右手を入れることで、脈拍などが読み取られます。これらの情報はChat GPTに送られ、「読書感情分」が作られます。作られた読書感情分はkintoneに格納され、LINE上から内容を読みとることが出来ます。

作品詳細:

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ジャン拳GUN

「ジャン拳GUN」とは「じゃんけん」と「射的」を組み合わせたゲームです。制限時間内に「グー・チョキ・パー」の弾で的を狙っていきます。

じゃんけん x 射的で新しい遊びを作り出した「ジャン拳GUN」

プレイヤーは赤外線ユニットを搭載したM5Stackを射的の銃として扱います。的はM5StackやLPC1114FN28(マイコン)で作成され、赤外線を受信する仕組みになっています。これらのデバイスはさくらのクラウドを使い、Node-REDでkintoneにスコアの登録を実装しています。kintoneの情報を下に、プレイヤー名とスコアが表示されるスコアランキングなども実装されています。

作品詳細:

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IRセイバー -赤外線の騎士-

「IRセイバー」は小学生が安全にチャンバラが遊べるためのデバイスです。ブレードデバイスから赤外線を照射し、他プレイヤーに攻撃をしたり、他プレイヤーからの攻撃を防御出来ます。

安全なチャンバラをブレードとヘッドデバイスで実現した「IRセイバー」

ブレードデバイスはM5StickC Plus2で制御され、赤外線を照射します。プレイヤーが取り付けたヘッドデバイスをSONY Spresenseで制御し、赤外線センサの当たり判定実装されています。Jetson Nano を使って骨格検出や姿勢推定などをし、攻撃や防御モーションを判定します。Raspberry PiとXBeeでゲームの進行と通信が行われ、対戦スコアと順位などがkintoneに登録される仕組みです。

作品詳細:

protopedia.net

おわりに

TechSeeker 2024は、展示とハッカソンが融合し、クリエイティビティと技術の交差点として、多くの刺激を与えるイベントでした。イベント全体を通じて、大人も子供も楽しめる多様な体験が提供され、特にkintoneを活用したハッカソン作品は、その柔軟性と可能性を存分に発揮していました。

私たちサイボウズも、引き続きこのような場でkintoneを活用した新しい挑戦をサポートし、日本各地のコミュニティと共に成長していきたいと考えています。またどこかモノづくりの場でお会いしましょう!